カフェ経営は憧れますよね。
実はカフェ経営は空き家活用との相性が良く、非常に魅力的なアイデアです。
また、旅館業などと比べて各種規制のハードルが低く、開業資金も少なく抑えられる点がポイント。更に個性を活かしやすく、ビジネスと趣味を両立しながら経営できます。
今回は、そんなカフェ経営の現状や、空き家を活用して実現するまでの流れをご紹介しようと思います。
カフェの現状・今後の需要
カフェは現状、緩やかに店舗数を減らしています。
総務省統計局の調査によると、平成26年度時点の国内の喫茶店数は69,977店舗。過去3年間でおよそ0.8%程度の減少となりました。
平成24年度調査結果が70,454店舗、平成21年度調査結果が77,026店舗である点を考慮すると、喫茶店やカフェは年々微減傾向にあることは明白。
ビジネスとして成功を目指すなら、ある程度の競争を覚悟する必要がありそうです。
カフェは個人経営が主体
カフェや喫茶店は現状、圧倒的多数を個人経営が占めています。
平成26年度調査結果である69,977店舗のうち、およそ75%にあたる53,031店舗を個人経営が占有。
東京や神奈川はチェーン店などの法人経営が目立つ反面、沖縄や高知などでは個人経営が大多数。ビジネスと趣味を兼ねたスタイルでの出店も目立つ点が特徴です。
今後の需要は?
カフェそのもの需供給は、今後もあまり変化ないものと考えられます。
ただし、東京や神奈川など都市圏での出店を考慮する場合、価格やサービス面に優れる法人店舗に対抗する必要があるでしょう。
カフェの業績は味やサービスだけでなく、店内のコンセプトや雰囲気、客層によっても左右されます。
ご自身のアイデアをベースにリフォームを行い、法人店舗にはない魅力をアピールしては如何でしょうか。
カフェへの活用の方法・流れ
空き家を活用してカフェを営む際は、主に以下の流れに沿って開業します。
- 構想、コンセプトを定める
- メニューを決める
- 必要な資格を取得する
- 施工業者を決定する
- 各種申請を行う
- 仕入れ業者、スタッフ等を決定する
- 開業
構想、コンセプトを決める
カフェ経営で最も大切な部分です。
- ターゲットはどんなお客さんか?
- どんなカフェを経営するのか?
- テーマや演出はどんなものにするか?
などなど、カフェを経営する上で外せない「個性」を考案します。
メニューを決める
カフェのメニューを決めます。
喫茶店にとってメニューは、お客さんに出す中核サービスです。「また来たい!」と思ってもらえるように、慎重に検討を重ねましょう。
必要な資格を取得する
カフェの開業には、食品衛生責任者や調理師、製菓衛生士、栄養士のうち、いずれかの資格が必要です。
個人経営は店長やオーナーが取得していなければ安定的な経営が難しく、事前に取得することをオススメします。(場合によってはこの部分は早い方が良いでしょう)
施工業者を決定する
ご自身のイメージやコンセプトを表現するために欠かせない部分です。
空き家の内装をガラリと変えてしまう方もいれば、元の空き家の良さを活かしたカフェを計画するオーナーさんも。ご自身の選択次第で、店内の雰囲気はガラリと変わります。
各種申請を行う
営業のために必要な書類を作成し、申請を行います。
設計業者の引いた設計図を保健所等に持ち込み、許可を取得。法的に営業できる状態に持っていきます。
申請の流れは?
効率よく営業許可を得るためには、正しい手順を踏んで申請を行う必要があります。
カフェの場合は主に保健所への相談がメインです。(遊具やお酒を提供する場合は警察署、テナント経営の場合は消防署への届出も必要)
保健所相談の流れ
- 事前相談
- 書類提出
- 確認検査
- 営業許可証
- 営業開始
仕入れ業者、スタッフ等を決定する
リフォーム工事進行中に、仕入れ業者やスタッフの確保。SNSなどを駆使した情報発信を行います。また、リフォーム後の内装にマッチした調度品などを用意します。
開業
準備完了。いよいよ開業です。
メリットデメリット
カフェ経営にはメリットとデメリットが混在しています。順番に確認しましょう。
カフェ経営のメリット
空き家を活用してカフェを営むメリットをご紹介します。
地代がかからない
自己所有の空き家を改装する場合、家賃等がかかりません。一般的なカフェがテナント賃貸で経営している点を考慮すると、大きなアドバンテージです。
制約が少ない
宿泊施設などと比べると開業に必要な規制が少なく、自由度が高い点が特徴です。容易にはじめることができる分だけ、イメージを実現しやすいと言えるでしょう。
自由な経営が可能
夢の脱サラビジネスの中でも、カフェ経営は特に自由度が高い職業です。ご自身が店長として活躍するため、開店時間や閉店時間、店休日などを自由に選択できます。
カフェ経営のデメリット
空き家を活用してカフェを営むデメリットをご紹介します。
競争が激しい
カフェ経営は参入障壁が低い分だけ、ライバルが出現しやすい環境です。
更に最近はコンビニエンスストアがコーヒーサービスを展開しているため、これらに勝る魅力ある「店作り」が欠かせません。
コンセプトが命運を分ける
お店の雰囲気はカフェにとって最重要課題です。お客さんのニーズから外れた独りよがりの内装では、長い支持を得ることは難しいでしょう。
迷った時は、パートナーとなるリフォーム業者や不動産会社などに助言を求めても良さそうですね。
活用事例
空き家をカフェに転用した事例をご紹介します。
古民家をカフェに転用!
空き家となっている古民家を改装して、カフェ店舗にリフォームした事例です。
もともとは築120年もの歴史ある古民家でしたが、オーナーさんの意向によりカフェとして転用することが決定。
- 柱や梁などをそのまま使用。歴史の趣ある内装に
- 照明や内装にもこだわり、天然木材や畳を多用した「和カフェ」に
地域制、風俗性を活かしたコンセプトで統一することで、来店者は店舗を見ただけで店内の様子をイメージするように。地域制たっぷりの店内が、温かみのあるサービスとマッチして人気を博しています。
参考土地カツnet
空き家を店舗兼住宅に
幹線道路沿いに建つ好立地の空き家を、店舗兼住宅に改装した事例です。
元々は純粋な空き家住宅でしたが、「店舗兼住宅として営みたい」というオーナーさんご夫婦の意向により全面改修。
全室をリフォームするだけでなく、敷地構造にも手を加えることで、
- 交差点のどちらからも入れるように駐車スペースを広角に確保
- 耐震構造を考慮した設計により、木造でありながら間仕切りナシ+30人の収容スペースを実現
- 採光窓や仕切りの高さを徹底分析。スポットライトやダウンライトを駆使することで、昼と夜でまるで異なる表情を演出
などなど、いつ訪れても楽しめる、素敵なカフェを実現した事例です。現在では立地の良さと駐車の容易さも相まって、非常に多くのお客さんに親しまれています。
参考パナソニック|今の暮らしと、夫婦の夢に備えたカフェ兼住宅の家
より詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。
まとめ
カフェは空き家の個人オーナーであっても手を出しやすい、比較的容易なビジネス事業の1つです。
店舗数が多く競争も激しい業界ですが、リフォーム改修を駆使してお店の個性を演出することで、一見さんにもお得意様にも親しまれる、素敵なカフェを経営できます。
カフェはとにかくお店の雰囲気が重要なので、施工前にリフォーム業者や不動産会社と綿密な相談を行うことをオススメします。
空き家物件をそのまま眠らせておくことは、いかにも勿体ない話です。
空き家物件を持て余すより、多くの人に親しまれ趣味とビジネスを兼ね備えた、素敵なカフェ経営を楽しみませんか?
店舗の内装を魅力的に表現できるかは、設計・施工業者にかかっています。
経験豊富な業者であれば、ご自身のイメージ以上のものを築き上げてくれるでしょう。ところが、現実問題、施工業者の中には店舗リフォームを苦手とする業者も少なくありません。
あとで後悔しないためにも、事前に不動産会社やリフォーム会社に相談を行い、豊富な実績と経験を持つ業者を選択しましょう。
当社も、多くの実績を有しておりますので、ぜひご相談ください。