豊島区は人口および世帯の増加が顕著であり、住宅需要の増加が見込める地域です。また、空き家率は特別区内で最も高く、地域的な潜在性は高いものと考えられます。
ただし、空き家を対象とした助成・補助金制度はやや限定的。制度を利用するとなると、どうしても地域的要因・築年数等の影響を受けてしまいます。
ここでは、そんな豊島区の空き家事情や補助制度の解説を進めつつ、各種支援制度をご紹介しようと思います。
Contents
豊島区の政策の基本方針
豊島区は、豊島区住宅マスタープランにて、「人と環境にやさしく安全に暮らし続けられる都心居住」の実現を基本理念として定めています。
同マスタープランは様々な施策目標を定めたものですが、特に空き家については「住宅ストックバランスの適正化」にて、空き家や空室の有効活用の促進を設定。空き家に対して様々なアプローチを行うものと考えられます。
また、豊島区では「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、空き家の適正な維持管理を促進する考えも示しています。
適正な管理が行われていない空き家に対しては、固定資産税の優遇措置の取消通知を行うなど、区の住環境を促進するために様々なアプローチを行う予定です(「豊島区空家等対策計画」より)。
参考豊島区住宅マスタープラン
参考豊島区空家等対策計画
参考空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報|国土交通省
豊島区の空き家の現況
平成25年度の住宅土地統計調査によると、豊島区では総戸数192,660戸のうち30,370戸が空き家状態。空き家率は15.8%であり、東京特別区の中でも最も高い水準を記録しています。
また、空き家戸数30,370戸のうち、売買や賃貸、二次的利用などの用に供されていない「その他の住宅」は、合計3,720戸。
これらの家屋の中には、倒壊や崩落のリスクを内包した危険空き家や含まれているものと考えられます。
参考豊島区空家等対策計画
参考豊島区住宅白書
人口増加が顕著な豊島区
豊島区は、人口および世帯数の増加も顕著なエリアです。
住民基本台帳をベースに豊島区内の人口・世帯推移をまとめた資料によると、豊島区内では平成10年を境に一部年度を除き人口・世帯の増加が続いています。
平成10年の豊島区内の人口は247,216名、世帯数は124,151世帯でしたが、平成25年度時点の豊島区の総人口は268,959名、世帯数は161,197世帯を記録。
人口増よりも世帯数の増加が顕著である点などから、15年間の長期スパンで見ると、豊島区内の住宅需要は増加傾向にあると言えるでしょう。
豊島区の具体的な空き家対策
それでは、豊島区の具体的な空き家支援政策を見て行きましょう。
改修に関する政策
豊島区の物件が対象となる、空き家の改修に関する支援事業や補助金政策です。
不燃化特区における特別な支援
東京都が主導する「木密地域不燃化10年プロジェクト」の一環として行われる豊島区の支援事業です。
東池袋や池袋中央、駒込等の一部エリア内など「木密地域」として指定されたエリアの建築物に対して、
- 戸建建替え促進助成
…建替費用の助成 - 老朽建築物除却助成
…建築物の除却費用の助成 - 固定資産税・都市計画税の優遇
…最長5年間の優遇
などの各種支援サービスを受けることができます。
建物が豊島区の指定を満たすものである限り、居住物件・空き家問わず支援を受けることが可能です。
解体に関する政策
豊島区の物件が対象となる、空き家の解体に関する支援事業や補助金政策です。
豊島区老朽建物除却費
建築基準法10条及び豊島区条例により、「保安上危険な建築物」に該当する物件の除却費の助成を行う制度です。
豊島区長より改善・除却等の命令を受けていなければならず、任意で同制度を申請することはできません。
その他空き家対策に対する政策
豊島区の物件が対象となる、その他空き家対策に関する支援事業や補助金政策です。
空家と住まいの相談窓口
豊島区が実施している空き家の適正管理・活用に関する相談窓口です。
区担当者だけでなく、専門家からの助言を受けることもできますが、開催日が限定的なところが欠点と言えますが、空き家の相談については、弊社でも随時受付を行っております。日程や日時等についてもご相談に応じますので、お気軽にお問合せ下さい。
リノベーションまちづくり
リノベーションまちづくりは、豊島区を住み続けられる街に変えるための、官民共同のアプローチ制度です。
従来の補助金主体の「官主導の体制」から、「民間企業主導による連携」へとシフトした企画で、不動産オーナーに対する空き家等の活用を促す制度。
- オーナー向けの空き家セミナー
- リノベーションに向けた事業者紹介
などを行っています。
まとめ
豊島区は空き家率が高く、人口も増加傾向にあるため、空き家オーナー様にとって大きな可能性を秘めたエリアです。
また、区では木密地域や老朽家屋に対する助成金や、空き家相談やオーナー向けセミナーなどのサービスも行っているため、必要に応じて活用したいところではないでしょうか。
もちろん、弊社も空き家オーナー様を対象に、空き家活用や維持管理などのご相談を承っております。
- 「より収益性・安定性を重視した活用法を知りたい」
- 「維持管理から活用まで幅広く相談したい」
- 「専門家による助言・アドバイスを受けたい」
上記のようなお悩みを持つオーナー様は、お気軽にお問合せ下さい。オーナー様の立場に立ち一体となり、お持ちの空き家物件の活用方法を検討します。