台東区は東京都内でも、比較的多くの空き家改修・除却支援制度を有したエリアです。
特に老朽・地震による倒壊の危険性が認められる空き家の活用・対策を積極的に推進しており、基本方針に基づく補助制度が充実しています。
また、台東区は子育て世帯や高齢者世帯への住宅確保にも積極的です。補助制度の中には、これらの世帯の住宅確保に向けた政策もあり、今後の空き家需要に期待が寄せられています。
Contents
台東区の政策の基本方針
台東区は「台東区住宅マスタープラン」にて、空き家の適正管理を促すと同時に、空き家の有効活用の推進を基本方針に定めているエリアです。
特に重点政策を以下に絞り、空き家の積極活用に力を入れています。
- 子育て世帯への居住支援
- マンションの適切な管理維持・建替えの支援
- 空き家ストックの総合対策
- 安全・安心な住宅市街地の整備
台東区の空き家の現況
平成25年度に実施された統計情報によると、台東区の住宅総数は11万0860戸であり、このうち空き家と見なされる物件は1万2000戸程度。空き家率は15.2％と高く、東京都内でも比較的空き家が目立つエリアです。
参考e-Stat 政府統計の総合窓口より計算
住宅数と居住世帯のある住宅数
引用：台東区住宅マスタープラン（平成27年3月）
また、平成20年度調査時点では、台東区の住宅総数はおよそ10万0860戸であり、空き家物件が1万5,200戸。
更に賃貸や売買・二次的住宅利用以外の物件を指す「その他の住宅」の項目が数を減らしている点を考慮すると、台東区は住宅総数と比べて空き家率の減少が進み、空き家活用の活発な地域であると言えそうです。
住宅セーフティネットを推進
台東区の人口は平成11年を契機に増加に転じており、特に子育て世帯などの若い年齢層の居住が増加しているエリアです。
台東区の人口と世帯
引用：台東区住宅マスタープラン（平成27年3月）
また、台東区は都心8区の中で高齢化率・高齢夫婦世帯の割合が最も高いエリアでもあります。
都心８区 年齢別人口比率
引用：台東区住宅マスタープラン（平成27年3月）
必然的に台東区は、子育て世帯、高齢者世帯、障害者世帯、低額所得者などの「住宅確保要配慮者」に向けて住宅確保を行うことが求められており、こうした背景を受けて、住宅確保セーフティネットの推進を住宅マスタープランに取りあげています。
現在のところセーフティネット改正に伴う具体的な施策はありませんが、今後の事業内容に期待が持てそうです。
台東区の具体的な空き家対策
それでは、台東区の具体的な空き家対策を確認してみましょう。
改修に関する政策
台東区の物件が対象となる、空き家の解体に対する支援事業や補助金政策です。
東京都台東区民間住宅活用モデル事業
空き家の利用や活用を促進するために、台東区が実施する改修補助金制度です。
改修後の物件を子育て世帯向け用の賃貸住宅として活用することを条件に、空き家の改修工事費用の一部を補助するものと定めています。
- 対象工事は？
→子育てに配慮した住宅への改修工事を含むもの - どんな住宅が対象？
→台東区内に存在する住宅のうち、「申請時点で空き家状態の物件」であり、居住面積や着工日が区の求める基準を満たすもの - 助成金の額は？
→工事費用の1/2を補助（上限50万円）
参考東京都台東区民間住宅活用モデル事業（空き家活用モデル事業）
解体に関する政策
台東区の物件が対象となる、空き家の解体に対する支援事業や補助金政策です。
老朽建築物等の除却工事費用の助成
耐震診断結果などにより、倒壊の危険性が高いと判断された物件を除却する際に、台東区が費用の一部を助成する制度です。
ただし、この制度は不動産販売や賃貸、貸駐車場の業者は適用対象外となります。（これら以外の業であれば、法人も適用可能）
- 対象工事は？
→倒壊の危険性が高い建築物の除却工事 - どんな住宅が対象？
→台東区が求める条件を満たす倒壊危険建築物 - 助成金の額は？
→工事費用の1/3以内 上限50万円
空き家跡地活用事業
空き家跡地活用事業は、台東区への土地の5年間無償貸与を条件に、管理不全状態の老朽危険家屋の除却工事費用を補助する制度です。
当然、前述の「老朽建築物等の除却工事費用」より金額が高額。更に工事費用は全額補助です。
- 対象工事は？
→老朽危険空き家の除却工事 - どんな住宅が対象？
→老朽危険空き家のうち、区の求める基準を満たすもの - 補助金の額は？
→上限250万円を全額補助
なお、同制度は跡地の行政利用可能性などを調査して最終決定が下されるため、適用条件はやや厳しいものがあると言えそうです。
その他空き家対策に対する政策
台東区の物件が対象となる、空き家活用に対するその他の支援政策です。
空き家等に関する総合相談窓口
台東区が実施する空き家活用に対する相談窓口です。
空き家の活用にお悩みの方を対象に相談の場を設けているのですが、開催日や時間を限定されてしまいます。
空き家の活用にお悩みは、弊社でもご相談を承っております。日時や時間も柔軟に対応しておりますので、空き家の活用にお悩み際は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
台東区は空き家の改修・除却支援制度が充実したエリアです。
改正セーフティネット法に伴う支援制度こそ未整備ですが、区が独自に子育て世帯向けの住宅確保を目標にした助成制度を導入。住宅確保に悩む子育て世帯に向けて普及・居住支援を行っています。
老朽家屋や倒壊危険家屋に対する制度も充実しており、オーナー様と利用者様の双方にメリットとなる活用法ばかりです。
台東区の空き家活用をご検討の際は、これらの制度利用を考えてみるのも良いでしょう。
弊社ではこうした助成金制度の利用も交えて、総合的な空き家活動のご提案に力を入れております。
ぜひ一度お問い合わせください。
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