杉並区は住宅数および世帯数が順調に伸びている、空き家活用の好適地の1つです。
少子高齢化が叫ばれる日本社会ですが、核家族化の傾向は留まるところをしらず、空き家住宅には一定の需要が見込まれます。
また、杉並区は空き家活用に向けた政策や補助金制度を導入しており、空き家の活用計画が立てやすいエリアです。眠っている空き家を運用して、収益化を目指してみませんか?
Contents
杉並区の政策の基本方針
杉並区は、住宅マスタープランの基本理念である「誰もが安心して住み続けられる良好な住環境の実現」を基本方針に、空き家の適切な運用・管理を促す考えです。
杉並区では平成27年10月に「空き家対策を強力に推進」する目的で杉並区空家対策協議会を組織。また、「杉並区空家対策計画」を発表しました。
更に、空き家の適正な活用や管理に求められる補助金や相談窓口などを設置し、区内の空き家活用を積極的に促す姿勢です。
杉並区の空き家の現況
平成25年度に実施された住宅・土地統計調査によると、杉並区の総住宅はおよそ34万1000戸、総世帯は約30万4000世帯で推移しています。
このうち、杉並区内の空家総数は約3万5690戸であり、総住宅数の「約10.5%」が空き家となっている状況。
杉並区内の住宅戸数は年々増加の一途を辿っているものの、空き家比率はほぼ横ばいとなっており、空き家問題は区の継続的な課題の1つです。
世帯数の増加が目覚ましい杉並区
杉並区の総住宅数と総世帯の比率を計算すると、1世帯当たりの住宅数は1.12戸。これは世帯数よりも住宅数が多い状態であることを意味しており、杉並区が「住宅あまり」と言える証左です。
ただし、杉並区の世帯数は年々上昇傾向にあることを、見落としてはなりません。
平成10年時点での杉並区の総世帯数が約25万2000戸ですが、平成20年時点の総世帯数は約28万2000戸、平成25年度は約30万4000世帯を記録。順調に世帯数が伸びていることは明らかです。
当然、世帯数の伸びは土地活用にとって好材料。今後も杉並区内の住宅需要に対する期待値は大きなものになると予想すべきでしょう。
杉並区の空き家の活用状況
杉並区内の空き家は、その6割~7割程度が「賃貸用物件」として活用され、年々増加傾向にあります。
ただし、その一方で長期不在などによる統計上の「その他の住宅」の数も、約2割前後で推移。減少傾向にはありますが、いまだ7560戸を数えています。
なお、杉並区の発表によると「その他住宅」のうち、戸建て住宅1100戸および共同住宅840戸は保全状況が芳しくない「腐朽・破損あり」住宅として見なされている状況。
これらの住宅は現在または将来的に、空き家対策特別措置法上の「特定空き家」として扱われる可能性を有しています。
杉並区の具体的な空き家対策
それでは、杉並区の具体的な空き家対策を確認してみましょう。杉並区は危険住宅に対する除却、改修に対して補助金を給付しています。
改修に関する政策
杉並区の物件が対象となる空き家や住宅の改修に対する政策です。
高齢者等賃貸住宅改修助成事業
高齢者等賃貸住宅改修助成事業は、高齢者向け賃貸住宅の改修に伴う助成制度です。
- 対象工事は?
→住宅改修(手すりや段差解消など)、住宅設備改修(浴槽や給湯設備など) - どんな住宅が対象?
→杉並区内の賃貸住宅および空家を所有していること - 補助金の額は?
→10万円以上の工事費用の50% 上限額100万円まで
改正セーフティネット法による住宅確保要配慮者専用住宅の支援策は?
杉並区では2018年4月現在、改正セーフティネット法による住宅確保要配慮者専用住宅に対する改築、家賃補助等の制度は導入されていません。
ただし、同法による改修支援措置は、国による直接支援も存在します。詳しくは弊社にお問い合わせ下さい。
解体に関する政策
杉並区の物件が対象となる空き家や住宅の解体に対する政策です。
老朽危険空家除却費用の助成制度
杉並区が実施する危険家屋の除却(解体)に工事に対して支給する助成制度です。
- 対象工事は?
→個人所有の戸建て、共同住宅(法人は不可) - どんな住宅が対象?
→特定空き家および管理不全な空き家 - 補助金の額は?
→除却工事費用の80% 上限額150万円まで
上限額はあるものの助成金が80%と非常に高く、かなりの割安価格で解体工事を実施することができます。
ただし、工事着手後の申請を認めていないので、利用する場合は必ず工事着手前に申請を行いましょう。
その他空家対策に対する政策
杉並区の物件が対象となる空き家や住宅のその他政策です。
専門家による空き家相談窓口
杉並区が実施している空き家相談窓口のサービスです。
区内の空き家のお悩みに対して、弁護士、司法書士および宅建士等が相談を受けています。
ただし、同一物件の相談は1回のみなど制限が加わっているので、若干使いにくいと感じる部分が出てくるかもしれません。
また、弊社でも空き家の活用や相談は承っております。お気軽にご連絡下さい。
まとめ
杉並区は空き家住宅の改修・解体の助成事業に力を入れており、オーナーさんは各制度を利用することでお得にリフォーム・除却工事を行うことができます。
また、世帯数が増加傾向にあることから、空き家需要にも一定の魅力が期待できます。杉並区の空き家活用にお悩みの方は、ぜひ一度、弊社までお問い合わせ下さい。
オーナーさんの意向に沿う形で二人三脚の姿勢を取り、空き家の魅力的な活用方法をご提案致します。
2015年5月26日に施行された「空家等対策特別措置法」では、『特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう』とされています。
引用特定空き家とは-NPO法人 空家・空地管理センター