品川区は住宅や世帯数が増加を繰り返し、土地需要が高いエリアの1つです。
空き家の活用も進んでおり、特に賃貸活用が盛んになっているものの、未だ多くの空き家が価値を発揮すること無く眠っています。
なかには解体・建築に対して助成金を受けることができる物件も存在する、制度利用も視点に含めて、空き家の活用を検討されてみては如何でしょうか。
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品川区の政策の基本方針
品川区では、いわゆる空き家対策特別措置法に伴い、平成27年4月より「品川区空き家等の適正管理等に関する条例」を施行しました。
条例は、管理不全状態の空き家を適正管理する区および所有者の責務を明らかにし、区民の生活環境の向上を図り、安心して生活できる地域社会の実現を目的に制定。
- 管理不全状態にある空き家を除いた通常の空き家の有効活用を促進する
- 管理不全状態の空き家の適正な管理を図るために(必要な)措置を行う
上記について条文で定めています。
品川区の空き家の現況
平成25年度に実施された住宅・土地統計調査によると、品川区内の総住宅数は227,590戸であり、このうち空き家物件の数は25,930件と記録されています。
また、品川区内の空き家比率はおよそ11.3パーセントで推移。東京特別区内で比較すると、数値そのものは標準的な水準です。
ところが、この数値は平成20年時点の空き家比率と比べてほぼ横ばいとなっております。
そのことからもわかるように、品川区内の空き家活用の政策自体は複数実施していていますが、未だ十分な対策を行なっていて認知が広がっているとは言えない状況です。
品川区内の世帯数は?
平成30年4月1日時点の住民基本台帳によると、品川区内の住民世帯数はおよそ218,020世帯です。
項目 | 総数 | 内訳 | 前月比 | |
---|---|---|---|---|
世帯数 | 218,020世帯 | 日本人:211,319世帯 |
外国人のみ:6,701世帯
|
1,777世帯増 |
人口総数 | 390,397人 | 男:191,452人 | 女:198,945人 | 1,753人増 |
日本人 | 377,871人 | 男:185,317人 | 女:192,554人 | 1,629人増 |
外国人 | 12,526人 | 男:6,135人 | 女:6,391人 | 124人増 |
品川区の世帯数は、平成8年以降ずっと増加を繰り返しています。平成15年時点で168,060世帯、平成20年時点では185,306世帯と順調にその数を伸ばしています。
更に、世帯増加の傾向が始まった平成8年当時の151,270世帯と比較すると、現在はおよそ6万7000世帯も増加。相応の住宅需要が期待されている状況です。
引用住民基本台帳 品川区
更なる住宅需要が期待される
この世帯数および住宅数の増加傾向が、品川区内の空き家活用を盛り上げる浮力となっていることは明白で、
平成25年度の住宅・土地統計調査によると、品川区では賃貸・売却・二次的利用に供されている空き家住宅数は21,710件。平成20年時点の同調査結果の19,470件と比較するとかなりの伸びを見せています。
しかしながら、長期不在や長期入院等により放置状態の空き家も、およそ4,230件と未だくすぶっている状態。この中には適正な管理が為されていない、「特定空き家となりかねない」空き家も含まれており、適切な運用や活用が望まれている状況です。
品川区が行なっている具体的な空き家活用政策
それでは、品川区の具体的な空き家活用政策を確認してみましょう。
改修に関する政策
品川区の物件が対象となる、空家の改修に関する支援事業や補助金政策です。
都市防災不燃化促進事業
平成24年度より東京都内で行われている「木密地域不燃化10年プロジェクト」を受けて、品川区内で実施されている不燃化促進事業です。
対象区域内に存在する建物に限られますが、事業対象物件として認定された場合、
■建築事業助成
対象地域の耐火建築・準耐火建築物に必要な助成金。品川区内では最大で約960万円(耐火建築物・個人のみ)。
■除却事業助成
対象物件の解体に必要な助成金。最大1,300万円(木造建築物)の補助を実施。軽量鉄骨の場合は、最大で1,850万円の補助。
■固定資産税等の減免
除却・建て替えでそれぞれ固定資産税の減免措置を受けることができます。
- 除却した場合 … 土地の固定資産税が5年間80%減免
- 建て替えた場合 … 建物の固定資産税が5年間100%減免
■引越しに係る費用等の助成
引っ越し費用の助成制度です。転居一時金・家賃・移転費用がそれぞれ支給されます。
■専門相談員との面談
制度に対する専門の相談員との面談サービスです。弁護士や税理士、一級建築士など相談内容に応じてそれぞれのスペシャリストと相談することができます。
弊社でも、空き家のご活用の相談は受け付けております。お気軽にお問合せ下さい。
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住宅改善工事助成事業
個人または賃貸オーナーを対象にした改修工事の助成金制度です。
適用条件は区民、個人オーナー、管理組合で異なります。区民の場合は現に居住しているだけでなく、「改修後に居住する」場合も制度適用の対象です。
- 対象工事は?
→エコ改修工事、バリアフリー回収工事、区が指定するその他工事 - どんな住宅が対象?
→現に居住している物件、または改修に居住すること - 補助金の額は?
→区民は上限20万円、管理組合・個人オーナーは上限100万円
解体に関する政策
品川区の物件が対象となる、空家の解体に関する支援事業や補助金政策です。
都市防災不燃化促進事業
不燃化プロジェクトの一環として、対象エリア内の除却費用を助成しています。内容は「改修に関する政策」の項目の「都市防災不燃化促進事業」をご参照下さい。
その他空家対策に対する政策
品川区の物件が対象となる、空家のその他対策に関する支援事業や補助金政策です。
空き家相談会
品川区で実施している空き家対策の相談会です。
年2回しか実施していないので、いつでも相談できる訳ではないのが欠点でしょうか。開催時期が近付くと、「広報しながわ」もしくはウェブサイト上に公表されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?前述の品川区内の空き家活用の政策自体は複数実施していていますが、未だ十分な対策を行なっていて認知が広がっているとは言えない状況です。
しかし品川区は人気のエリアで、積極的な空き家活用により受けるメリットも多くあります。
空き家の活用相談は、弊社でも積極的に承っております。
- 空き家の対策や活用方法に悩んでいる
- 相談会とスケジュールが合わない
- プロの目線に立ったアドバイスが欲しい
上記のようなお悩みをお持ちの方は、是非お気軽にご相談下さい。
オーナー様の視点に立ち、二人三脚で活用方法を検討することで、ニーズに沿った魅力的な活用方法をご提案致します。
2015年5月26日に施行された「空家等対策特別措置法」では、『特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう』とされています。
引用特定空き家とは-NPO法人 空家・空地管理センター