今回は世田谷区の空き家の現況や、助成金制度についてご紹介しようと思います。世田谷区は、社会的な要因による人口増加が顕著であり、多くの需要が期待できる地域です。
使っていない空き家を放置するのは、正直なところ勿体ない話。「土地活用なんて…」とお考えのオーナーさんも、まずは相談からはじめてみませんか?
Contents
世田谷区の政策の基本方針
世田谷区は「第三次住宅整備方針」(平成28年度~平成32年度)にて、街づくりの基本方針を「安心と支えあいを実感できる 質の高い住まい・まちづくり 」と定めています。
これらは4つのセッションに分割されており、具体的などのような施策に繋がるのかを表示しています。
1、安心な暮らしを支える住まいづくり
〇 高齢者、子育て世代、障害者等の住宅住環境の確保
〇 住宅におけるセーフティネット機能の強化
2、安全で快適な住まい・まちづくり
〇 地震や水害、火災に強い住まいづくり
〇 シックハウス対策や健康的な暮らしの促進
3、次世代へ引き継ぐ価値ある住まい・まちづくり
〇 良質な住宅の確保
〇 住宅の適切な維持管理の促進
4、みんなで進める愛着のもてる住まい・まちづくり
〇 空き家等の活用に向けた支援政策
〇 シェアハウスの推進
世田谷区の空き家の現況
平成25年度の政府統計調査によると、世田谷区の住宅総数は合計約 50万6000戸です。世田谷区内の住宅家屋は平成10年度より増加の一途をたどっており、過去15年間でおよそ9万戸程度増えています。
空き家についても、世田谷区は平成25年度調査にて約5万3000戸を記録。住宅総数のうち空き家の比率はおよそ10.4%ですが、空き家総数は過去15年間で最高数を計上しています。
「その他の住宅」が増加傾向
世田谷区の空き家の特徴は、「その他の住宅」が増加している点です。
通常の空き家は、別荘等の二次的住宅や賃貸用物件としての活用、売却用住宅など、何らかの用途に活用されることが多いもの。
ところが、その他の住宅とは、これらの用に供されていない物件を指しており、長期不在や長期入院などの理由により、実質的な放置状態にある物件も含んでいます。
世田谷区の報告によると、平成25年時点で区内に存在する「その他の住宅」の合計数は、およそ1万9690戸です。これは平成20年度の同調査と比べてなんと87%も増加しており、「世田谷区は活用すべき空き家が増えている区」と言えるでしょう。
人口統計にみる世田谷区の住宅需要
世田谷区は人口の増加傾向が激しく、高い住宅需要が見込まれる地域です。
世田谷区の人口数は、平成28年度調査時点で883,289人を記録。平成7年度までは減少傾向にありましたが、その後は一転して増加を繰り返しています。
世田谷区の世帯数は、平成28年度調査時点で461,518世帯です。これは人口と同様に増加傾向にあり、住宅需要にとって好材料と言える状況です。
世田谷区の具体的な空き家対策
それでは、大田区の具体的な空き家対策を確認してみましょう。
改修に関する政策
世田谷区の物件が対象となる空き家や住宅の改修に対する政策です。
不燃化特区制度
世田谷区のうち、特定のエリアに所在する空き家や住宅の改修・除却支援制度です。
対象工事ごとに様々な助成金制度が導入されているため、対象となる住宅家屋を個別的に精査し、以下の支援制度の使い分けを行う必要があります。
1、老朽建築物の除却支援
老朽建築物(昭和56年5月31日までに着工された木造・軽量鉄骨造の建築物)を除却する場合に支給される除却費用(解体費用)です。
除却とは、一般的な意味での建物の解体を意味しています。
2、建替え支援
老朽建築物(耐用年数が3分の2を経過した木造・軽量鉄骨造の建築物)を除却し、建替えを行う場合に、除却費用と建築設計・監理費を助成するというもの。
建て替えを行う場合は、是非とも導入したい制度です。
3、専門家派遣
不燃化特区の対象家屋を所有するオーナーさんを対象に、区が無料の個別相談会や専門家の出張相談を行うサービスです。
4、固定資産税・都市計画税の減免
制度を利用した土地や建物の固定資産税・都市計画税を減免する制度です。実際の適用には細かな規定が多いため、区職員等に確認が必要です。
平成30年6月に改正住宅セーフティネットの事業施行が決定!
法律は施行されたものの地域での導入が進まない「改正住宅セーフティネット法」の導入政策ですが…世田谷区では平成30年6月に事業施行を決定しました。
対象となる要配慮者は「ひとり親世帯」で、要配慮者専用住宅への改修事業費はもちろん、注目の「家賃補助政策」も含めて総合的に検討するとのことです。(区職員談)
平成30年4月時点での詳細が不明ですが、今後の動きには目が離せません。
参考新たな住宅セーフティネット制度を活用したひとり親世帯への居住支援について
解体に関する政策
世田谷区の物件が対象となる、空家の解体に対する支援事業や補助金政策です。
不燃化特区制度
世田谷区の不燃化特区制度の中には、対象区域内に所在する住宅家屋の除却工事に助成金を支給しています。
参考建物の不燃化に向けた助成制度のご案内【不燃化特区制度】
その他空家対策に対する政策
世田谷区の物件が対象となる、空き家活用に対するその他の支援政策です。
世田谷区空き家等地域貢献活用相談窓口
空き家物件をお持ちのオーナーさんと、公益目的での利用を検討している団体のマッチングを行う窓口です。
ただし、この制度では「公益」以外を目的とする活用提案は行っていません。
賃貸や改修・売却による一般的な活用方法をご検討中の方は、弊社までお気軽にご連絡いただければと思います。
参考世田谷区空き家等地域貢献活用相談窓口
まとめ
世田谷区は人口及び住宅の総数が増加傾向にあり、空き家利用価値の上昇が期待できるエリアです。
現在こそ空き家の改修や除却に対する制度は控えめですが、今後住宅セーフティネット法による各支援制度の実施にも期待が寄せられています。
世田谷区内の空き家物件をお持ちのオーナーさんは、活用を諦めてしまう前に、相談されてみませんか?
人口・世帯・空き家の増加が著しい世田谷区ですが…人口や世帯の増加理由は、主に「社会的要因」にあるとの調査結果が出ています。
逆に自然増減は、社会像と比べると緩やかな傾向。平成17年度までは減少傾向にありましたが、その後は緩やかに推移しています。
参考世田谷区第三次住宅整備後期方針より