空き家解体の支援制度が全国規模で進んでいるって、ご存知でしょうか?
ここ数年で放置空き家に対する風向きが変わり、解体除却やリフォーム・土地活用など様々な方面で支援策が登場するようになりました。
もちろん東京都内も例外ではありません。今回は、都内で実施されている様々な空き家活用施策をご紹介しようと思います。
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民泊特区制度 - 大田区
民泊特区とは、都道府県知事の認定を得ることで、本来民泊の運営に必要な法律上のハードルを軽減しようという制度です。
本来、居住用物件を民泊に改良するのは簡単ではありません。そのため、こうした支援策は民泊経営を検討中のオーナーさんにとって、多くのメリットがあります。
東京都内のエリアでは、大田区が民泊特区として認められています。大田区は羽田空港へのアクセスエリアなので、外国の利用者が集まりそうですよね。
民泊ビジネスは、日本の数少ない成長産業として期待されています。
訪日外国人に高い人気を有する民泊事業は、豊富な観光資源を抱え東京オリンピックを控えた日本にとって、非常に相性の良いビジネスです。
不燃化特区制度 - 木密地域
東京都の住宅街は木造建築が密集した地域(木造建築密集地域)が多く、地震や火災など様々な心配が渦巻いています。
住宅が密集していると建物が壊れた時に逃げ場がありませんし、火に弱い木造住宅は簡単に火災・延焼してしまうからです。
政府でなくとも、「なんとかしなきゃ!」と焦ってしまいます。
そこで東京都は、数年前から対象物件をお持ちの方に向けて、「不燃化特区制度」を打ち出しました。
この制度は老朽家屋の解体だけでなく、建築費用の助成や固定資産税の減免など、多方面の資金的な援助を行うというもの。
助成額も非常に大きく、耐火・準耐火建築物へのグレードアップが可能です。「燃えない街」を目指して、官民共同で取り組む施策と言えます。
不燃化特区制度の助成内容例
- 解体・除却工事の費用を助成
- 建築設計費等の費用を助成
- 固定資産税の減免・全額免除
文京すまいるプロジェクト - 文京区
文京すまいるプロジェクトとは、文京区で実施している入居者支援制度です。
内容は、高齢者やひとり親の方を受け入れてくれるオーナーさんに対して、区が「毎月の謝礼金」を支払うというもの。
高齢者やひとり親の方は入居審査で不利ですから、これを区が支援してあげようという取り組みですね。オーナーさんにとっても家賃滞納などのリスクを軽減できるので、経営上大きなメリットが得られます。
この手の助成金にありがちな「一時金」ではなく、毎月の収益に繋がるので、助成のスタイルとしては非常に魅力的なのではないでしょうか。
金額は毎月1万円ですが、区が求める設備要件を満たすことで、更に1万円が加算されますよ!
老朽危険家屋の除却費等助成制度 - 墨田区
老朽化が進んだ物件オーナーさんに向けて、墨田区が実施している助成支援制度です。
古い住宅はそのまま放置すると、倒壊や火災・犯罪のリスクが増えてきます。これらはオーナーさんだけでなく、近隣住民にとっても不安の種です。
ですが現実には、解体工事は「さぁ、やろう!」と簡単に進むものではありません。解体工事には大きな費用がかかるので、対応したくともできない方が多いのが実情ですよね。
この制度は、そんな空き家オーナーさんの支援を目的としています。
- 管理不全建築物に対して、無償貸与を条件に解体工事の助成(上限200万円)
- 住宅地区改良法上の「不良住宅」への解体除却費用を助成(上限50万円)
空家等地域貢献活用事業 - 大田区など
大田区など、複数の自治体が実施している支援制度です。
少し堅苦しい印象の制度ですが、簡単に説明すると「区が空き家をお持ちのオーナーさんと、借りたい人のマッチングを行う」という内容。(契約手続きは不動産業者が介入)
借主は「公益目的」の利用者に限定されますが、双方の条件のすり合わせなどを区が担当してくれるので、オーナーさんにとってもメリットのある制度です。
2017年度では、茶道教室やグループホームなど、様々な空き家活用案が浮かびました。今後の発展にも、期待が寄せられている制度です。
2017年度までに実施された空き家の利活用例
- 着付け・茶道教室として
- 高齢者向けグループホームとして
- 障がい者向けグループホームとして
- 入院者家族を対象とした宿泊施設として
- アトリエ兼ワークショップとして
まとめ
空き家が社会問題化する理由の根底には、「倒壊・火災など空き家が持つリスクの解決」と「空き家の利活用による社会・経済促進」の2つの面があります。
もちろん、どちらもオーナーさんにとって大切です。
しかし空き家の利活用には解体やリフォームなど様々な費用がかかるので、実際には思うように進みません。
弊社は物件活用を検討中の全てのオーナーさんの、ご相談を承っております。また東京都内では、今回ご紹介した制度以外にも様々な施策が実施されています。
空き家の利活用にお悩みのオーナーさんは是非一度、弊社までご相談下さいませ。スタッフ一同、魅力的な提案を打ち出せるよう、精査検討を重ねて参ります。