今回は、ご実家の空き家をリフォームし保育施設を開業されたS様の事例をご紹介します。
放置していたご実家の空き家に悩んでいたS様は、以前からのお仕事経験をもとに保育ママとして独立を考えていました。
そこで、いまお住いの家からも近くに位置するご実家を保育施設に改修することで、初期費用を抑えつつ独立でき、さらには周辺の保育施設の不足解消の一助となります。
そのような保育施設への改修を行った事例を紹介いたします。
また、当社では空き家を活用した保育施設についての記事も整理しています。保育施設への活用にご興味をお持ちの方は、こちらもぜひご覧ください。
参考保育園不足解消!空き家を活用するメリット!事例から考える実施のポイントと注意点
Contents
ご相談者様のお悩み内容
- 保育施設を新規で立ち上げたい
- 他社では「建替えが必要」と言われた
- リフォーム費用を安く抑えたい
ご相談の内容
今回取扱いさせていただく物件は、住宅地にある空き家物件です。
ご相談者様は小規模保育事業の新規立ち上げをお考えとのとこと。通常の保育施設よりも簡単にスタートできる「家庭的保育事業」を計画中だが、建物の現状が悪くリフォームを検討したいとのお話です。
また、他社でリフォームを申し込んだところ、「建替えが必要だ」と言われ、高額な費用を請求されたとお悩みでした。
空き家の現状は?
空き家は木造平屋の一般的な住宅です。
しかし、内装は年月の影響であちこちに痛みが見えるばかりか、床板が弱っているのか踏んだ時の感覚に違和感がありました。
(ご相談者様のお話によると、白アリ被害により建材が被害を受けていたとのこと)
また、換気設備や採光部分も少なく、全体的に薄暗い印象だった点は否めません。確かに、建て替えを含めて検討しなくてはならない物件です。
解決に至るまでの状況/解決方法
とは言え、ご相談者様はなるべく費用を抑えてリフォームを行いたいとのこと。
そこで弊社としても、できるだけ価格を抑えることができるようにと、様々な調査を実施することにしました。
構造部分は無事であることを確認
弊社が調査したところ、白アリによる被害は見られたものの、家を支えるために必要な構造部分は食害を受けていませんでした。
そのため、住宅そのものの除却を行わずとも、リフォームだけで対応可能。
ご相談者様のご要望を満たす条件で相見積もりを立ててみたところ、他社様のものより費用的に大きく減額することに成功しました。
設置基準を満たす
保育事業には、様々な建築条件が定められています。
☆家庭的保育事業に求められる要件例
- 乳幼児1人あたりの室内面積の確保
- 設備面の充実(トイレ・火災報知器等)
- 建築基準法・消防法への適合(採光・換気設備等)
リフォームの際はこれらの点に配慮して、綿密な設計を行わなくてはなりません。
間取り変更を実施!
ご相談者様の物件の場合、特に注意しなければならないのが間取りです。
小規模保育事業のうち家庭的保育事業は、「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」により9.9㎡が条件として定められています。
(乳幼児が3名を超える場合は、1名につき3.3㎡が必要)
ところが、ご相談者様の空き家物件は4畳半(6.98㎡)が中心で、設立に必要な面積を満たすお部屋がありません。
そこで弊社は、設立基準を満たす必要性から、お部屋に対して間取り変更を実施。独立した複数の部屋を1つにし、同時に必要設備の整備も行いました。
参考家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第二章 家庭的保育事業
防音性にも配慮!
「騒音問題」は、保育施設のもう1つの壁です。
家庭的保育事業は自宅や空き家での事業を想定しているため、近隣は概ね住宅に囲まれています。
そのため、騒音などの観点から施設に対する風あたりが強いのが悩みの種。近隣トラブルがストレスとなるばかりか、保護者からも危惧されているのが実情です。
そこでご相談者様と協議の上で、採光窓や換気扇はいずれも防音性の高いものを採用。更に費用対効果に優れた防音材などを活用して、コストを抑えつつ防音性を確保しました。
魅力的な保育施設へ
家庭的保育事業は、保育園と比べて小規模です。
そのため、預ける保護者も不安でいっぱい。最初はわが子を預けて良いものか、大半は慎重な判断を行います。
そのため、設備面からアピールする力が無くては、十分な成果が得られません。
- 窓枠を広げて室内が明るく見えるように配慮する
- 壁面には明るく清潔に見えるクロスを使用。価格が安くコストも低減
などなど、費用面を考慮しつつ、最大限印象が良くなるように徹底配慮。魅力的な保育施設へとアプローチを行いました。
ご相談者様の声
大希企画さんのお陰で事業を諦めずに済みました!
他社は「食害を受けたなら建替えが必要」の一点張りだったので、リフォームという選択肢を与えてくれた大希企画さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
仕事の質も上々で、現在は保護者の方からも大盛況。
内覧時にお部屋に通すと、皆さん意外なほど明るくて印象が良いと驚き、「安心して子供を預けられる」と笑顔です。
お陰で経営の方も順調そのもの。資金も調達できたので、現在また設備充実の見積り交渉中です。
担当者の一言
今回の物件は損耗が激しく、「建替えもやむなし」と見える物件でした。
しかし、実際に建て替えが必要かどうかは構造面を調査しなければならず、これらの調査が不十分なまま「建替えありき」で話を進めてしまうケースも見られます。
もちろん、費用対効果を考慮して、建替えが好ましい場合もあるでしょう。しかしながら、今回の物件はリフォームを行った方がずっと安く、費用を抑えることが可能でした。
建替えの判断は個別的にお家を見てみなければわかりませんが、判断にお悩みの方は是非一度ご相談下さい。
豊富な経験とスキルを持つ専門家として、お客様にご満足いただける提案を目指します。
日本文化は、お部屋の広さを示す際に畳のサイズに置き換え「〇畳」と表記します。
ところが、この「〇畳」という表現。意外なほど正確さに欠けています。
と言うのも、日本の畳には統一した規格が無く、サイズがバラバラ。下記の表のように、地方によって大きさが異なります。
→関東圏で使用
→愛知県や岐阜県などで使用
→関西より西で使われる
→公営住宅などで使われる
京間と団地間では、1畳あたり「0.38㎡」も違います。
畳の規格を見落としていると、リフォームによるお部屋の広さを図る際に「思ったより小さい!」と感じてしまう可能性もあるでしょう。