日本の空き家事情はいま、深刻な問題に直面しています。
生活世帯の世代交代に伴い、高度経済成長期に乱立した「戸建て住宅」が都市・地方問わず溢れている有様です。最近では、「入居者募集」の看板がかかった古い住宅を見ない町はありません。
もちろんオーナーさんにとっても、空き家問題は大きな課題です。お悩みになっている方も多いのではないでしょうか。
空き家オーナーのお悩み例
- 実家は遠く、とても住むことができない…
- 放置していた空き家がゴミ捨て場に!
- 毎年固定資産税を払い続けるのはバカらしい
今回は空き家活用にお悩みの方に向けて、具体的な活用方法をご紹介しようと思います。
賃貸する
実は戸建て住宅の賃貸は、入居者から意外なほど需要がある物件です。
通常、賃貸物件はアパートやマンションなどの集合住宅が大半を占めています。これは皆さん、ご存知のことかと思います。
しかし最近は居住面積や近隣トラブル・地震などの災害への警戒心から、集合住宅に対する拒否感を覚えている方は少なくありません。
特に子育て期に入ったファミリー世帯にとって、近隣トラブルは悩みの種。様々な問題から、集合住宅は窮屈と感じることが多いようです。
~ファミリー世帯にとって集合住宅は悩みの種~
- 子供の騒ぎ声で管理会社から文句を言われる
- マンションの狭い人間関係に辟易!
- 狭くて窮屈!物理的に手狭に感じる
- 古いアパートは地震や火災がとても心配
こうした入居者にとって、戸建て賃貸は魅力的な選択です。
戸建て住宅は集合住宅と比べ周囲に気を使わなくて済む上に、面積も広いのでのびのびと暮らせます。またマンションのように1つの建物にたくさんの人が住むワケではありませんから、人間関係に精神的な窮屈さを感じている方にも好まれるようです。
更に賃貸用の戸建て住宅はアパートと比べて、流通数も多くありません。
地域当たりのライバルが少ないので、借主さんに細かな条件を妥協してもらいやすいメリットもありますよ。
売却する
最近は国内でもリフォーム・リノベーションが浸透し、中古住宅に対する需要も高まりを見せています。
もちろん新築時よりも、売却価格は下がります。
しかし恵まれた立地条件や周辺環境など、光る魅力を持つ物件に対しては、「自分でリフォームして作り変えよう!」と考える買主さんもいるのが実情です。
以前よりもチャンスは増えていると言えるでしょう。
オーナー側の変化も
また売主側の意識も、ある種の変化を見せています。
以前は中古物件をそのまま売るオーナーさんが多かったのに対して、最近は「リフォームしてから売りに出そう」と米国式スタイルを取るオーナーさんもいるのです。
~日米の空き家オーナーに見られる傾向~
日本 … 売主は物件をそのまま売却。全体的に低価格。
米国 … 売主が物件リフォーム。全体的に高付加価値。
誰だって、古く汚い物件には住みたくありません。買主にとって中古物件は、その後の生活基盤となるからです。
米国では、空き家オーナーさんが自らリフォームを実施するケースが増えています。その方が多くの買主の目に留まり、より良い条件で売却できるからです。
建て直し
古くなった住宅は、建て直しも選択肢の1つです。
ひとえに空き家住宅と言っても、その実情は様々。あまりに古い物件はリフォーム工事そのものに手間がかかり、「新築より費用がかかってしまう」ケースも少なくありません。
また地域によっては、国や自治体の支援による補助制度も存在します。
老朽化の進んだ空き家問題には政府も頭を抱えており、なんとかして利活用しようと躍起です。補助金を活用があれば、オーナーさんは費用負担を軽減できます。
特に最近は増税を不安視して、建て直しの検討をはじめるオーナーさんもいらっしゃいます。
建て直し後にビジネスも!
空き家住宅をリフォームしたり建て直すことで、民泊やシェアハウスとして活用する方が増えています。
1日単位で収益を得られる民泊ビジネスや、1K物件以上の利益率をたたき出すシェアハウスは、空き家オーナーさんにとって非常に魅力的な選択です。
最近は民泊特区など法規制を緩める動きも見えており、新たなビジネスチャンスが生まれています。立地や環境によっては、大きな可能性を生み出すかもしれません。
誰かが住む
住宅は人の手が入らないと、すぐに痛んでしまうと言われています。少し迷信じみた話に聞こえますが、あながち嘘でもありません。
人が全く住まない物件は、当然換気や排水が行われず、湿気や臭気がこもります。クロスにはニオイが染みつき、水が蒸発した水道管は虫の発生の原因となるでしょう。
また湿気は木造住宅には天敵です。カビや雑菌発生の原因となり、老朽化した床や柱の損耗に繋がります。庭が雑草だらけになったり、ゴミ捨て場と化すこともあるでしょう。
~空き家を放置するとこんなことに!~
- 給水・排水トラブル → 下水のニオイは水道管の中の水が抑えています。人が住まず水道管の水が蒸発すると、悪臭が部屋中にこもったり、水道管を伝って虫が家に侵入するかもしれません。
- 湿気・換気トラブル → 湿度の高い日本では、定期的な換気が必要です。長期に渡り換気を怠ると、家じゅうに湿気がこもりあちこちにカビが生えることも。また老朽化が進んだ柱や床にとっては、腐食の原因となるでしょう。
- 犯罪・迷惑行為トラブル → 放置空き家は咎める人がいないため、ゴミやガラクタを投げ捨てる不心得者にとって格好の標的です。数年放置していると、いつの間にかゴミ屋敷になっていたというケースも。また犯罪者や浮浪者の潜伏場所になる可能性もあります。
- 国や自治体による強制措置 → 放置が進み住宅の破損が進むと、国や自治体がオーナーさんに向けて適正な管理を求めます。要請に応えず放置を続けると、最終的に強制撤去となるケースも考えられるので、注意が必要です。
これら問題を解決するには、やはり「人が住むこと」に限ります。
空き家を抱えたオーナーさんの中には、ご自身や家族で済んだり、住宅を必要とする親族に住んでもらう方もいらっしゃいます。
住宅にとって人は「血液」も同然の存在です。
住民がより良い環境を求めて、換気や排水・掃除を行うことで、住宅はより長生きできる長寿物件へと変化します。
まとめ
空き家はどのような形であれ、放置するより運用することをオススメします。
近年は中古住宅に対する社会的な関心も高まり、リフォームや建て直し、賃貸など様々な運用方法が賑わいを見せているからです。
もちろん効率的に運用するためには、空き家の性質や環境に合った運用方法を選択しなくてはなりません。活用方法に悩んだ時は、空き家の活用に詳しい不動産会社や専門家に相談してみては如何でしょうか。
弊社も不動産会社として、オーナーさんからのご相談を受け付けております。
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