今回は、もともとご両親がお持ちになられていた「ドヤ」をリフォームし、観光客向けの「ゲストハウス」として開業したA様の事例をご紹介します。
当社では、ゲストハウスをはじめとした宿泊施設へのリフォームも多く承っております。ぜひ下記記事なども参考としてご覧ください。
参考記事空き家を訪日外国人向けの民泊として活用!
Contents
ご相談者様のお悩み内容
ご相談いただいた際、A様は下記のようなことに悩んでいました。
- 実家のドヤをリフォームしたい
- 物件の良さを活かしたい
- 外国人にも来て欲しい
ご相談の内容
今回のご相談者様は、近年の観光特需を受けて「ゲストハウスの運営を行いたい」とご希望でした。退職後の第二の人生として、以前からの夢であったゲストハウス経営を志されたとのことです。
ご相談により寄せられた物件は、元々ご両親がお持ちの建物。昭和の頃に出稼ぎ労働者向けの「ドヤ」として建設したものの、建設した翌年にはバブルが崩壊。経営直後から需要が減りつつあり、現在は空き家に極めて近い状況とのことです。
ご相談者様は2代目として、今回の機会を通じてゲストハウスへ事業再生を行いたいとのお考えでした。
空き家の現状は?
簡易宿所としては比較的規模が大きく、客室も5部屋はある物件でした。ただし、内装面は非常に古く、あちこちに痛みが見える状況。ある程度手を加える必要がありそうです。
立地環境は?
立地環境も良く、駅や観光地などは比較的近距離。ご相談者様によると、「以前は公共交通が整備されておらず不便だった」とのことですが、現在はこうしたデメリットが大きく改善されている様子です。
解決に至るまでの状況/解決方法
もともと出稼ぎ労働者向けの「ドヤ」として使われていた施設だけあって、基本的な間取りや設備は整っている状況です。
調査を実施したところ、構造的にも法的な要素を満たしており、インフィル部分(壁紙や内装・設備)を中心に手を加えるという話で落ち着きました。
外国人に需要の高い設備を整える
ご相談者様はただリフォームを加えるのではなく、「外国人向けゲストハウス」としての活用を検討したいとのこと。そのため、外国人に需要の高い設備を中心に導入を行います。
基本的に間取りそのものには手を加えず、設備や構造材を中心に手を加えることで、居心地の良さを改善しました。
- 床をメンテナンス性の高いものに変更。靴のまま上がれる簡易宿所に。
- トイレは和式から洋式に変更。母国にいるかのような環境づくり。
- ドアや廊下を拡張工事。かがまずに入れるように作り変える。
- 換気や通風を大幅改善。更にニオイの付きにくい素材を使用して快適性をアップ。
- 内壁材はより防音性の高いものを挿入。
- その他、壁紙交換・フリースマホ・wi-fiの設置など
特に気を使ったのはやはり「外国人向け」というコンセプトです。
昭和の物件は現在と比べ、どうしても古く細かいところが不便に作られています。特に和式トイレは、多くの外国人に忌避される日本文化の1つです。
また、「靴を履いて泊まれる宿所」として床の素材を変更。耐久性が高く更にメンテナンスが容易なものを選択することで、「母国にいるかのようなゲストハウス」へと近付けます。
個室面も大幅改修し集客効率もアップ!
個室面は収益に直結するため、特に力をいれた部分です。スペース的には十分に広いので、2段ベッドを想定したリフォームを実施。単純に考えて、布団を敷いて寝るよりも2倍の集客数が得られます。
また、近年需要の高い設備は徹底導入。単価の安いドミトリー方式のゲストハウスとは言え、利用者の需要に可能な限り応える「気遣い・おもてなし」を表現する狙いです。
- 1ベッドごとに個人用の電源を確保
- プライバシーの確保できる設備を導入
- 空調は上下ともに均一の温度になるものに変更
特に注意したのは「プライバシー」と「環境」です。カーテンのついたベッドを採用するだけでなく、シャワールームは個室式に。更に宿泊所全員分の貴重品ボックスを設置することで、プライバシー要素を確保しました。
また、2段ベッドは高低差が生じるため、1段目と2段目で室温の感じ方が違います。そこで、暖房や空調は「上下の気温差が少なくなる」よう工夫して施工を行い、快適性へと繋げました。
ご相談者様の声
大希企画さんは、とにかく企画・提案力がスゴイです。
当方は実家の古いドヤを「外国人向けにしたいな~」と考えていただけですが、実現のためのリフォーム方法や導入設備をドンドン提案してくれます。一方的な押し付けではなく、当方の疑問点にも的確な回答をしていただけるので言うことナシ!
更に担当の方が物件現地まで来てくれるので、安心感も違います。
もちろん、経営の方も順調そのものです!居心地の良い設備を整えたせいか「数日~2週間程度」の長期滞在のお客さんがメインとなり、収益は安定性を増す一方。以前の物件で「居心地が悪い」と言われ、中途解約されていたのが嘘のようです。
また、予約の件数も約5倍増と圧倒的アップ! 現在では提供しているサービスが追いつかず、宿泊者向けのアクティビティを担当するアルバイトまで雇っている状況です。
成果に繋がる効果的な提案をいただけ、本当に嬉しく思っています!
担当者の一言
出稼ぎ労働者向けの宿所「通称:ドヤ」は、昭和の高度経済成長期を象徴する存在です。今回相談に寄せられた物件は、いわば「乗り遅れ物件」であり、経営開始直後から需要が減少するという悲惨な状況でした。
しかしながら、物件の価値は常に一定とは限りません。
ご相談に寄せられた物件も、時代の流れと共に周辺環境が変化。工場や作業所が減り観光名所が増加した上に、交通網まで整備されました。
以前の情報を以って、「どうせ需要はないだろう…」と諦めてしまうのは早計です。不動産は生かすも殺すも人次第という面を有しており、実際に活用を検討するまで本当の価値はわかりません。
空き家や空き地についてお悩みの方は、是非とも弊社までご相談下さい。豊富なノウハウとフットワークを活かしたサポートで、お客様のお役に立てればと思います。